不動産売買契約書Q&A|見るべきポイントや解除の方法、代理人を立てるときのやり方なども
いざ物件が決まると、次のステップは本契約。そのときに重要なのが、「不動産売買契約書」と「重要事項説明書」です。この記事では、「不動産売買契約書」とはどういうものか、見るべきポイントなどもあわせて説明します!
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不動産売買契約書とは?
不動産売買契約書とは、不動産の売買契約を締結した証として取り交わす書面です。
売主と買主双方のトラブルを防ぐため、契約内容全てに合意した上で、不動産売買契約書にサインをします。後になって「こんな話聞いてなかった」「知らない」などということにならないようにしましょう。
また、不動産売買契約書の内容を変更したい場合も、売主と買主双方の合意がない限り、変更することはできません。
不動産売買契約書は、誰が作る?いつ・どこでもらえる?
誰が作る?
基本的に、不動産売買契約書は、物件を紹介した不動産会社などの仲介業者が作成します。売主側に仲介業者が付いていれば、その仲介業者が作成することも。
いつもらう?
事前に出していた「不動産購入申込書」の諸条件が全て整い、いよいよ希望物件の本契約に進むときに「重要事項説明書」と一緒に「不動産売買契約書」をもらいます。
どこでもらえる?
不動産売買契約の本契約は、ほとんどの場合、仲介業者の不動産会社に売主と買主が出向き、対面で行われます。契約が終われば、不動産売買契約書は買主が持ち帰ります。
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見るべきポイントは?不動産売買契約書の内容
不動産売買契約書はその名の通り、売買される不動産の内容が集約されています。
一部を抜粋すると、取引対象となる不動産の住所・面積や売買代金、支払期限、売主と買主の住所や名前などです。
不動産売買契約書の見本
不動産売買契約書の見るべきポイント
Point1. 不動産物件(売買物件)の表示
不動産売買契約書の一番始めに書かれている内容は、取引する対象物件の情報です。
対象不動産の表示には、法務局(登記所)が定めた地番があります。住所に似ていますが、売買対象物件を特定するもので、世の中に2つとない番号が割り振られています。
Point2. 売買代金の金額・支払い方法・支払日など
売主と買主で合意した売買金額や支払期日、住宅ローンを使うのであれば融資金額や融資利用に基づく契約解除期日、手付金の額が記載されています。
手付金は、売買金額の5%未満が一般的です。不動産売買契約書の内容に問題がなければ、この手付金を売主に渡すことで契約が完了になります。
Point3. 税金の清算など
対象物件に課される固定資産税、都市計画税の清算方法も必ず確認しましょう。
どちらの税金も1月1日の所有者に課され、一年分を納付します。ほとんどの場合、取引される対象物件は、年の途中で引き渡されるため、、引渡し日を境に清算します。
マンションの場合は、管理費、修繕積立金なども月の日割り清算になります。
Point4. 解除の内容
双方が合意した不動産売買契約を、なかったことにする「解除」。例えば、損傷による解除、契約違反による解除など、さまざまな理由で起こることもあります。
解除の条件には、法的な拘束力が発生するものもあるため、契約時にしっかり認識しておかないと、大きなトラブルに発展することも。
不動産売買契約締結後の解除ってできる?
物件の事情だけでなく、人は心変わりするときもあります。契約後に「やっぱりやめたい」と思うこともあるかもしれません。そこに理由は問いませんが、必然的に解除になる場合と一方的に解除する場合とでは条件などが違います。
解除(解約)になる場合
一例ですが、以下のような場合は不動産売買契約が「解除」になり、支払った手付金は買主に無利息で返金されます。
- 買主側の住宅ローンが通らず、希望の借入ができない
- 天災地変により物件が修復不能な状態になり買主に引き渡せない
買主もしくは売主から、一方的に解除する場合
買主から一方的に解除したい場合は、支払った手付金を放棄すれば、契約をなかったことにできます。
売主から一方的に解除したい場合は、受け取った手付金を返還し、同額を買主に提供する「手付倍返し」をします。
不動産売買契約書に収入印紙は必要?
不動産の売買契約書は課税文書のため、収入印紙が必要です。ただし、不動産売買契約書に関しては、印紙税の軽減措置があります。
軽減税率の目安は以下の表でチェックしてくださいね。
購入する収入印紙の金額と軽減税率の目安
契約金額 | 軽減税率 | 本則税率 |
1,000万円~5,000万円以下 | 1万円 | 2万円 |
5,000万円~1億円以下 | 3万円 | 6万円 |
1億円~5億円以下 | 6万円 | 10万円 |
不動産売買契約のとき、売主や買主に代理人を立てる場合のやり方って?
原則、不動産の売買契約には、売主と買主双方が対面し、サインをします。
ただし、当事者が以下のような場合は、委任状を作成し、代理人を立てることもあります。本人に代わり、破産管財人が売買に立ち会うケースも。
これを見ると、代理人を立てるケースは意外と多いと言っていいかもしれません。
・仕事の都合などで時間が取れない
・契約者が未成年の場合(代理人は両親のどちらか)
・夫婦など複数人の共有名義で売買し、全員がそろわない
・一人で契約するのが難しい
法定代理人が立ち会う場合も
当事者に認知症や知的・精神障害などがあり、正常な判断ができない成年被後見人の場合は、法律に則って任命された成年後見人などの法定代理人が立会います。
代理人を立てる場合の委任状の書き方
委任状に決められたひな形はありません。代理人にどこまで権利を与えるのかを明記した書面なので、第三者からみても内容が理解できるように、わかりやすく項目を整理して簡潔に書きましょう。
不動産売買契約書がない…!もしも紛失してしまったら?
不動産売買契約締結後、すぐに契約書をなくすことはあまりないとは思いますが、将来家を売りたいとなったときに、どこにしまったかわからなくなってしまうこともあるかもしれません。
結論から言うと、何十年後に家を売るときには、不動産売買契約書がなくても問題はありません。
不動産を買った後に、不動産売買契約約書の原本が必要になるケースは1回のみ。金融機関と住宅ローンの借入を契約するときです。
購入した不動産を売却したいときには、土地の権利証(登記識別情報通知書)、建物の確認申請書、確認済証、検査済み証の方がはるかに大事な書面です。
不動産売買契約書について不安があれば、不動産会社に聞こう!
土地や一軒家などの不動産購入は、人生の中でとても大きな買い物。だからこそ、買主に不利益なことがあってはいけません。買主を守るためにも、書面化された不動産売買契約書はとても重要です。
ただ、書面化されていても、難しい不動産の専門用語も確認事項も多いのが事実…。
まずは信頼できる不動産会社を見つけて、不安なことは相談しながら、不動産売買契約書の内容を理解した上でサインをするようにしてくださいね。
「不動の売買契約書」について解説した不動産のプロは、この人
- 殖産ベスト
- 村田 公穀(むらた こうき)
- 主に中央線沿線、京王井の頭線エリアの不動産に地域密着で携わり、はや十数年。このエリアの不動産の購入、売却に関するご相談には、自信をもってお答えします!
お客様の気持ちに寄り添ったアドバイスを心掛けながら、最終的には安心して購入できる不動産をご提案します。
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