【不動産の物件概要】を読み取る！「告知事項あり」「高度地区」など項目の見方を知って物件探しを楽に♪
不動産会社の販売チラシやネット情報などに記載されている「物件概要」。
項目数が多いので全部を理解する必要はありませんが、何が書いてあるのかを少しでも理解しておくことで、物件の特徴や性質をある程度理解できるようになり、物件探しに役立ちますよ！
物件概要とは？
物件概要とは、物件の場所や不動産の金額、最寄りの駅及び徒歩距離など、物件に関する基本的情報が集まっているもの。
土地の場合は面積のほかにどういった建築ルールがあるエリアなのか、建物が付いている場合は土地の情報に加え、建物の築年数や何階建てかなどが記載されます。
物件概要は、不動産を検討・購入するときに必要不可欠で、より良い物件を選ぶための重要な情報が詰まっています！
重要事項説明書との違い
不動産の売買契約を結ぶ前に渡される「重要事項説明書」。
物件概要と項目や内容が似ているように見えますが、買主にその物件についてより理解してもらうことを目的としている書類で、より詳細な内容やその根拠などが書いてあります。
買主が損害を被らないよう、宅地建物取引士から内容について直接説明を受けるのが一般的です。
▼重要事項説明書の関連記事をチェック
不動産売買契約時の重要事項説明書とは？記載事項や見るべきポイントを解説！
物件概要・物件詳細情報の主な項目と内容例一覧
物件概要の代表的な項目について、よくある記載内容例と補足を表にまとめました。
青い文字になっている項目は、リンク先により詳しい説明があるのであわせてチェックしてみてくださいね！
新築や中古など一戸建ての物件概要の項目例
| 項目名 | 記載内容例 | 補足 |
| 所在地 | 東京都武蔵野市吉祥寺南町3丁目 | ネット情報や販売チラシなどには詳しい住所は記載されません。詳細は不動産会社に要問い合わせ |
| 交通 | 京王井の頭線「吉祥寺」駅徒歩1分 JR中央線「吉祥寺」駅徒歩1分 |
物件からの利用駅及び沿線、駅までの距離
|
| 販売価格 | 10,000万円 | 物件の税込価格。 戸建は建物のみが消費税の対象。売主が課税業者でない個人の場合は建物にも消費税がかかりません |
| 土地権利 | 所有権 | 所有権以外に借地権などあり |
| 土地面積 | 100平方メートル | 土地の大きさ |
| 建物面積 | 80平方メートル | 建物の大きさ |
| 築年月 | 2018年1月 |
|
| 構造 | 木造スレート葺2階建て | 木造や鉄骨・コンクリート造など建物構造及び総階数 ※「木造スレート葺」とは、一般的な木造住宅のこと |
| 間取 | 3LDK |
など |
| 地目 | 宅地 | 土地の目的。駐車場、雑種地、畑、墓地、公衆用道路などもあり |
| 用途地域 | 第一種低層住居専用地域 | そのエリアに建築してよい建物の種類。全13種類あり |
| 建ぺい率 | 40% | 敷地面積に対する建築物の占める面積上限 |
| 容積率 | 80% | 建築物の敷地面積に対する建物の延床面積 |
| 高度地区 | 第1種高度地区 | 高さの制限で、東京都の場合「第1種高度・第2種高度・第3種高度」の全3種類。 第1種より第3種の方が制限が緩くなり、高い建物が建ちやすくなる |
| 防火規制 | 準防火地域 | 火災の延焼を防ぐための一定の防火基準。 主に「防火地域」「準防火地域」「防火規制なし（22条区域等）」の3種類に分類 |
| 都市計画 | 市街化地域 | 建築をしてよいエリアかどうか |
| 現状 | 空室 | 入居者の状況 |
| 接道 | 南側4ｍ公道 | どの方向のどんな道路に敷地が接しているか |
| 設備 | 公営上下水・都市ガス | 利用できるライフライン |
| 引渡し時期 | ○○○○年○○月末 | 物件の引き渡し時期。 「建物あり」「居住中」の場合は、すぐに引っ越しできない可能性もあるので、引渡し時期は要確認 |
| 取引態様 | 媒介 | 物件の広告者・募集者の種別
|
| その他規制等 | 計画道路あり 線下保証あり |
上記項目以外に伝えるべき重要事項 |
土地の物件概要の項目例
| 項目名 | 記載例 | 補足 |
| 所在地 | 東京都杉並区天沼3丁目 | ネット情報や販売チラシなどには詳しい住所は記載されません。詳細は不動産会社に要問い合わせ |
| 交通 | 丸ノ内線「荻窪」駅歩3分 JR中央線「荻窪」駅駅歩3分 |
物件からの利用駅及び沿線、駅までの距離
|
| 販売価格 | 8,000万円 | 土地には消費税はかかりません。 |
| 土地権利 | 所有権 | 所有権以外に借地権などあり |
| 地目 | 宅地 | 土地の目的。駐車場、雑種地、畑、墓地、公衆用道路などもあり |
| 土地面積 | 90平方メートル | 土地の大きさ |
| 用途地域 | 近隣商業地域 | そのエリアに建築してよい建物の種類。全13種類あり |
| 建ぺい率 | 80% | 敷地面積に対する建築物の占める面積上限 |
| 容積率 | 200% | 建築物の敷地面積に対する建物の延床面積 |
| 高度地区 | 第2種高度地区 | 高さの制限で、東京都の場合「第1種高度・第2種高度・第3種高度」の全3種類。 第1種より第3種の方が制限が緩くなり、高い建物が建ちやすくなる |
| 防火規制 | 準防火地域 | 火災の延焼を防ぐための一定の防火基準。 主に「防火地域」「準防火地域」「防火規制なし（22条区域等）」の3種類に分類 |
| 都市計画 | 市街化地域 | 建築をしてよいエリアかどうか |
| 現状 | 古家あり | 土地の現状を示す。更地や駐車場など |
| 接道 | 北側4ｍ公道 | どの方向のどんな道路に敷地が接しているか |
| 設備 | 公営上下水・都市ガス | 利用できるライフライン |
| 引渡し時期 | 即日 | 土地の引き渡し時期。 「古家あり」は、古家の解体は売主・買主のどちらが負担するかを要確認 |
| 取引態様 | 売主 | 物件の広告者・募集者の種別
|
| その他規制等 | 解体更地渡し 告知事項あり |
上記項目以外に伝えるべき重要事項 |
土地権利
土地権利は「所有権」が一番メジャーですが、物件によっては月々地代を支払う「借地権」といわれる土地の権利などもあります。
マンションの場合は、「敷地権」が設定されているケースが多いです。
借地権の関連記事
周りの物件よりお得!?「借地権」とは？メリットとデメリットも
建ぺい率
建ぺい率は、パーセンテージの数字が大きくなればなるほど、敷地目一杯に建物を建築していいということ。
例えば、100平方メートルの敷地の場合、建ぺい率が変わると建築可能・不可面積が以下のように変わります。
| 建ぺい率 | 建築可能面積 | 建築不可面積 |
| 40% | 40平方メートル | 60平方メートル |
| 80% | 80平方メートル | 20平方メートル |
建ぺい率や容積率についてもっと詳しく！
これでバッチリ！建ぺい率・容積率とは？簡単な計算方法と暮らしたいエリアの探し方がわかる!!
容積率
容積率は、数字が大きくなればなるほど、建物床面積を広く取れることを表します。
例えば、100平方メートルの敷地の場合、容積率が変わると建築可能面積が以下のように変わります。
容積率には、「車庫緩和」と呼ばれるビルトインガレージは床面積としてカウントしなくていい緩和措置などもあります。
| 容積率 | 建築可能面積 |
| 100% | 100平方メートル |
| 200% | 200平方メートル |
緩和措置の関連記事はこちら
狭い土地でもOK！「ビルトインガレージ」のメリット・デメリットや注意点、車1～2台に必要なサイズも
防火規制
都市計画法で「市街地における火災の危険を防除するため定める地域」 として、定められたものが防火規制です。
「防火地域」の場合、100平方メートル以上もしくは3階建て以上の建物を建築するときは、必ず耐火建築物を建築する必要があり、建築コストが高くなるので要注意！
設備
設備には、利用できるライフラインが明記されています。
東京の多くの場合は市区町村が運営する公営管理のものが多いですが、物件によっては私設管やプロパンガス、浄化槽など、個人が管理する必要のあるライフラインを利用しなければならないことも。
その他規制など
| 記載される内容例 | 詳細 |
| 再建築不可 | 建物を再建築することができない敷地 |
| 計画道路 | 敷地が計画道路内にあり、用地買収の対象となる可能性あり |
| 線下保証 | 敷地上空を高圧線が通過している |
| 解体更地渡し | 古家は取り壊して引渡しされるということ |
| 告知事項あり | 人の死亡など、過去にあったことなど、契約の意思決定に重大な影響を与える可能性があること |
| 契約不適合免責 | 土地・建物の保証をしない |
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「再建築不可物件」ってなに？リフォームや住宅ローンのことについても解説
物件概要の内容を理解することは、良い物件に出会うための第一歩！
物件概要に何が書いてあるのかを理解するのは、自分たちに合ったより良い一戸建てや土地に出会うための第一歩。不明点があれば、すぐに担当者に問い合わせて、知らないことがないようにしてくださいね！
「物件概要」について解説した不動産のプロは、この人
- 殖産ベスト株式会社
- 田草川 聡（たくさがわ さとし）
- 不動産購入・売却において必要な知識はもちろん、吉祥寺・三鷹・荻窪・中野などの城西地域の情報にも詳しいです！自ら注文建築をした経験を活かして、エリアや土地、建物、暮らしなど、どのようなプランがお客様の生活にマッチするのか、どのような建築会社がおすすめかなど、さまざまな角度から提案をさせていただきます。
- 【保有資格】
宅地建物取引士 - 物件探しはこちらから
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