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How to buy property物件購入前のあれこれ

住宅ローン控除は、消費税増税でどうなるの?~消費税増税その2~

 住宅ローン控除とは

「住宅ローン」を利用して住宅を購入した際に、年末ローン残高の一部にあたる金額が税額(所得税や住民税)より控除が受けられる制度です。

この制度を利用することにより、税額が控除されて負担が少なくなるため、住宅購入の後押しの一つになっています。

現行(消費税が8%適用)では、住宅ローンを借りると10年間、年末のローン残高の1%が税額から控除されます。各年最大で40万円の控除額となるため、10年で最大400万円の税額の控除となります。

ただ、最大の控除額が適用されるためには、住宅ローン残高が10年間4,000万円を超えていて、かつ、年額の所得税と住民税(所得税が40万円を超えない場合、一定金額の控除)が40万円を超えている必要があります。

また、住宅ローン控除を受けるためには、住宅ローンを組む以外にも必要な条件がございます。

 

 住宅ローン控除を受けるために必要な条件とは

住宅ローン控除はすべてのかたに、そして、すべてのご購入不動産に適用されるわけではございません。決められている要件をクリアする必要があります。

【住宅ローン控除を受けるための条件】

1.  一戸建ての場合、住宅の床面積が50㎡以上(床面積の2分の1以上が自己の居住用)。 マンションの場合、床面積は登記簿による。
2. 住宅ローンの返済期間が10年以上(借入先は原則金融機関で、親族や知人からの借り入れはNG)。
3. 取得日から6ヶ月以内に入居し、各年の12月31日まで引き続いて住んでいる。
4. 控除を受ける年の合計所得金額が3千万円以下
5. 居住の年と、その前後の2年ずつの5年間に、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例などの適用を受けていない
6. 中古住宅の場合には、マンションなどは、25年以内に建築されている。耐火建築物以外の建物の場合には、20年以内に建築されている。これに該当しない建物の場合には、一定の耐震基準に適合する必要がある(平成17年4月1日以後に取得をした場合に限る)。

新築住宅
(マンション・一戸建て)
・新築または取得日から6か月以内に入居していること
・借入した人の合計所得金額が3000万円以下であること
・ローンの返済期間が10年以上あること
・登記簿に記載されている床面積が50㎡以上あること
・床面積の1/2以上が自分の居住用であること
中古住宅
(マンション・一戸建て)
・新築住宅の条件のほかに下記の条件を満たすこと
・マンションなどの耐火建築物は、取得の時点で築25年以内。耐火建築物以外は取得の時点で築20年以内。または一定の耐震基準をクリアしていること
・生計を一にする親族などからの購入ではないこと
・贈与された家ではないこと
リフォーム ・新築住宅の条件のほかに下記の条件を満たすこと
・自分で所有し居住する家のリフォームであること
・一定の省エネリフォーム、バリアフリーリフォーム、耐震リフォーム、または大規模な間取り変更や修繕などであること
・工事費用が100万円超であること
・店舗併用住宅等の場合、居住用部分のリフォーム費用が1/2以上であること

 

 

 消費税増税に伴う住宅ローン控除

今回、消費税10%にあたり、2019年税制改正大綱においては、2019年10月1日から2020年12月31日までに入居した場合を対象に、住宅ローン減税の控除期間が3年間延長されます。

住宅ローン控除の税制措置の変更内容の概要は下記になります。

◆現行の住宅ローン減税について、控除期間を3年間延長(10年→13年)
◆適用年の11年目から13年目までの各年の控除限度額は、以下のいずれか小さい額。

・住宅借入金等の年末残高(4,000万円※を限度)×1%
・建物購入価格(4,000万円※を限度)×2/3%(2%÷3年)

※長期優良住宅や低炭素住宅の場合:借入金年末残高の上限:5,000万円、建物購入価格の上限:5,000万円
※入居11~13年目についても、所得税額から控除しきれない額は、現行制度と同じ控除限度額(所得税の課税総所得金 額等の7%(最高13.65万円)の範囲で個人住民税額から控除。
※入居1~10年目は現行制度通り税額控除。

消費税の適用区分 現行(消費税率8%) 拡充後(消費税率10%)
控除期間 10年間 13年間
控除限度額 1~10年目
借入金年末残高(上限4,000万円)×1%
(最大控除額40万円/年)
なし 11~13年目
以下のいずれか小さい額
・借入金年末残高(上限4,000万円)×1%
・建物購入価格(上限4,000万円)×2%÷3
※消費税率10%が適用される住宅の取得等をして、平成31年10月1日から平成32年12月31日までの間に居住の用に供した場合

 

 

 消費税8%と消費税10%のシミュレーション(新築一戸建て)

【消費税8%のケース】
物件価格:5,160万円
(土地3,000万円、建物2,160万円
住宅ローン:3,500万円 
返済期間:35年
適用金利:0.8%  

 

  ⇒40万円UP 

【消費税10%のケース】
物件価格:5,200万円
(土地3,000万円、建物2,200万円
住宅ローン:3,540万円
返済期間:35年
適用金利:0.8%

  
※住宅ローンの借入月を1月として試算。
※一般住宅として試算。
※税額(所得税・住民税)が年40万円を超過しているとして試算。

住宅ローン年末残高 住宅ローン控除額
消費税8% 消費税10% 消費税8% 消費税10%
1年目 34,202,728 34,593,616 342,027 345,936
2年目 33,326,285 33,707,157 333,262 337,071
3年目 32,442,805 32,813,579 324,428 328,135
4年目 31,552,230 31,912,827 315,522 319,128
5年目 30,654,505 31,004,842 306,545 310,048
6年目 29,749,572 30,089,567 297,495 300,895
7年目 28,837,373 29,166,943 288,373 291,669
8年目 27,917,849 28,236,910 279,178 282,369
9年目 26,990,942 27,299,410 269,909 272,994
10年目 26,056,593 26,354,382 260,565 263,543
11年目 25,114,741 25,401,767 100,000(※)
12年目 24,165,327 24,441,502 100,000(※)
13年目 23,208,290 23,473,527 100,000(※)
合計 3,017,304 3,351,788

差額:334,484円

(※)建物本体価格1,500万円×2%÷3年=100,000万円の控除

上記シミューレーションですと、消費税10%適用により、物件価格は40万円UPします。
ただし、住宅ローン控除が3年間延長されることにより、約33.4万円恩恵を受けられることになります。

 

 まとめ

消費税増税前の消費税8%適用時に購入をしたほうが、得になる可能性が高いです。
ただし、住宅ローン控除の延長により大幅な差は出る可能性は低いこと、また、購入者されるかたの所得や物件の内容、建物価格等により一概に断言できない部分もありますので、総合的に判断していくことが大切です。

※当記事の情報は執筆時(2019年)の情報を基にしておりますので、最新の情報と異なる場合があります。

この記事を書いた人

殖産ベスト 常務取締役
久野 光明
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