「建築条件付き土地」とは?メリット・デメリット、注意点まで分かりやすく解説! #暮らしさがし3
家探しをしていると、「建築条件付き土地」という表記を目にすることがあるかと思います。条件付きと聞くと、何だか敷居が高く感じてしまっていませんか?
なにか制限があるように思えるこの建築条件付き土地。うまく使えば、お得に自分の希望を盛り込んだ家を手に入れることができるものなんです!
建築条件付き土地とは?
建築条件付き土地は、別名「売建(うりたて)住宅」とも呼ばれ、その土地に対して建物を建築する会社が決まっている売地のことを表しています。
自宅用に土地を購入して家を建てる場合、一般的には「注文住宅」を想像することが多いと思います。
注文住宅というと、ハウスメーカーや工務店などの建築会社を自分たちで選び、その上で間取りや外壁など、どんな家にするかを自由に決めていける、というイメージがあるかもしれません。
「建築条件付き土地」は、家の建築に関わる建築会社が指定された状態で、販売されている土地のこと。「条件」といっても、間取りや外壁の色などの条件が決まっているわけではなく、あくまで家を建てる建築会社だけが決まっているものです。
なぜ「建築条件付き土地」が販売されているのか?
では、なぜ「建築条件付き土地」が販売されているのでしょうか。理由や背景はいくつかありますが、主なパターンは3つほどあります。
パターン1. 「建築条件付き土地」は、“建売住宅になる前段階”の土地のことが多い
不動産会社は、建売(たてうり)の新築住宅を販売する場合、行政に「建築確認」申請をし、許可を受けておく必要があります。この許可を受ける前に、新築戸建として販売してしまうことは宅建業法で禁止されています。
しかし、不動産会社からすると、建築確認が取れるまでその土地の販売活動をしないで、待っているだけではもったいないので、少しでも早く販売活動を行うために「建築条件付き土地」として売り出すのです。
パターン2. 建築会社が土地の売主やオーナー
ハウスメーカーや工務店などの建築会社自身が、土地の売主やオーナーになっていることもあります。そもそも建築会社は、建物を自分の会社でつくって販売したいので、自分の会社で建築をしてもらうことを前提の「建築条件付き土地」にして、土地と建物をセットで販売しています。
パターン3. 不動産会社が信頼する建築会社と提携
建築会社と不動産会社は、一種の提携企業のような関係です。魅力的な土地を、信頼している建築会社が建てる建物とセットで販売することで、より価値のある物件にするという目的もあります。
建築条件付き土地のメリット
「建築条件付き土地」はメリットもデメリットもありますが、まずはメリットを見てみましょう。
建築条件付き土地のメリット1|注文住宅をつくるよりも、セット価格で新築住宅を手に入れられる
注文住宅の場合、オーダーメイドのスーツのように、使用する素材や設備のグレードなどによって、建物価格が増減します。また、間取りや設備などの建物ばかりに気を取られていると、土地の地盤調査や地盤改良、ライフラインの引き込み等の、土地にかかる費用のことを忘れてしまいがちです。
建築条件付き土地は、そのような地盤やライフラインの費用も含めた建物価格として提示されていますので、安心して購入できるのもポイントです。
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建築条件付き土地のメリット2|間取りや建具、外壁など、自分好みに変更できる
建売住宅を見たときに、「あの間取がこうだったら…」「リビングの壁紙が◯色だったら…」といった希望を。割安で叶えることができるのが建築条件付き土地です。
建築条件付き土地の場合、工事が進みすぎていなければ間取りや建具、外壁などを希望に合わせて変更することができます。なんでも選べる状況だと悩みすぎてしまう、でも人と同じものはちょっと…という人にはぴったりな、セミオーダー住宅、プチ注文住宅といえるかもしれませんね。
「建築条件付き土地」のデメリット
反対に、デメリットとして捉えられてしまうことは以下の2つです。
建築条件付き土地のデメリット1|建築会社が決まっている
建築条件付き土地は、建物を建築する会社が決まっているので、「自分が好きなハウスメーカー(工務店)で建物を建てる!」と、すでに建築会社を自身で決めている人には、建築条件付き土地はおすすめできません。
建築条件付き土地のデメリット2|自由度はあっても「注文住宅」ではないということ
木造の予定の建物をコンクリート造りにしたい、広々とした屋上をつくりたい、地下室をつくりたいなど、施工方法や大掛かりな要望は実現するのが難しいでしょう。建築会社や工法などにこだわりがある人は、建築条件なしの土地を探すことをおすすめします。
建築条件付き土地の注意点
1. 請負契約を結ぶまでの期間が一定期間設けられている
多くの場合、土地を契約してから3か月以内に、建築会社と請負契約を結びます。そして、「期日までに契約を結ばなかった場合はその土地を含めて解約」というルールになっています。
実際には、建築条件で決められているメーカーに建物を建ててもらうことに対して同意ができ、購入者が希望されている間取りが概ね入りそう&問題なさそうとわかった時点で請負契約を結ぶことが多いです。
不明な点や不安なことがあったら、不動産仲介の担当者や、建築会社の担当者にしっかり質問して、納得の上で進めるようにしてください。
2. 打合せ回数が制限されているケースがある
注文住宅では1~2年もかけて何度も打ち合わせをして、家のプランニングをすることもあります。一方、建築条件付き土地の場合は請負契約までの期間も限定されているように、打ち合わせ回数も上限がある場合があります。
3. 建築条件付き土地の中でも自由度はバラバラ
建売前提の建築条件付き土地の場合、工事が進んでしまっている場合は、変更できる箇所があまりなく、カラーセレクトやコンセント数を増やす程度の変更しかできない場合もあります。建築会社によっても対応可能な変更範囲も変わってきます。
建築条件付き土地を購入するときは、以下のような点をしっかり確認することが大事です。
- どんな建築会社なのか
- どんなことができるのか
- どこまで希望を実現できるのか
建築条件付き土地をうまく活用しよう!
建築条件付き土地は決して怖いものではなく、うまく活用することで、最高の我が家を手に入れることができるかもしれない条件です。心配なことや不安なことなどある場合は、気軽に弊社にご相談ください!
動画でチェック!建築条件付き土地ってなに?
この記事を書いた人
- 殖産ベスト
- 矢島 大
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