第10回一語一得 物件購入の際に必要なものって?
これまで10回にわたって、不動産購入の「はじめの一歩」から条件の決め方、維持管理コストや訳あり物件の理由など【家探し】のスタートに必要な事をご説明させていただきました。
ここまでお読み頂いた方の中に「よし!これで家探しの準備ができた!」と思って頂けた方がいれば幸いです。
そんな方のために、今回は物件購入に必要なものをお伝えさせて頂きます。
物件購入に必要なもの、それは気合と根性です!
・・・という冗談はさておき、住宅を購入してから引渡しを受けるまでに必要なものを時系列でご説明させて頂きます。
1.自己資金
不動産を購入するためにはどのくらい自己資金が適切なのか?これは永遠のテーマで正しい回答はありません。
誰しも借金は極力したくないものですし、特に日本人は借金を嫌う風潮があります。ゆえに自己資金は最低でも物件価格の1割以上を!という考え方もありますが、それが一概に正しいとも言えません。
負担のほとんどない社宅に住んでいたり、実家住まいの場合であれば貯蓄のために費用は掛かりませんが、賃貸住居にすんでいた場合などは、自己資金を貯蓄するための「日々の利益」と「家賃」がすべて無駄になってしまうこともしばしば。
例えば、新婚間もない夫婦が
・5,000万円の物件を買うために購入時に使える自己資金を500万円貯めよう。
・そのために月7万円の貯蓄を頑張ろう。
・その7万円を捻出するために多少古かったり、狭かったりは我慢して、家賃を2万円切り詰めよう。2DKで9万円のところにしよう。
と頑張っても月7万円の貯蓄で500万円を貯めるためには6年の歳月が掛かります。またこの6年の間に賃料9万円の賃貸なら家賃だけでも650万円も支払うことになるのです。
社会人人生が40年前後の中で6年の歳月は非常に重要な期間です。不本意な賃貸で多少の我慢をしながら6年を過ごすのか、それとも自己資金などなくても銀行が貸してくれるなら借りてしまい、早々にマイホームを手に入れ快適に暮らすのか。そのような視点で判断することが求められます。
またもう一点忘れがちなのが定年後の残債です。
今が30歳の方にとっては、1年、2年住宅ローンを組むのが遅れてもそれほど気にはならないと思いますが、定年を迎えた方にとって、残債が1年でも長く残っているのは死活問題。やはり住宅ローンを組むなら極力早く組むことで、極力残債のない老後を迎えることが重要です。
では、私が思う結論を言います。
銀行が融資してくれるのなら、自己資金なんて貯めなくて良いと思います。
日本の金融機関は非常に堅実で、返してもらう保証がないと、融資をしません。ただでさえ超低金利な情勢で、住宅ローンの債務不履行が起ると銀行はたちまち大赤字です。だから大手都市銀行が融資をしてくれるのなら、それは間違いなく返済してくれるという社会的信用の裏付けなのです。
昨今の住宅ローン事情は物件価格の100%ローンはもちろんのこと、諸費用まで融資してくれる銀行も多くあります。
その場合は契約時に必要な手付金として100万円ほどあれば、不動産購入をすることも可能なのです。
2.印鑑
①売買契約のとき
②銀行と融資契約のとき
③物件の引渡しのとき
の3回に渡って署名押印が必要になります。①のときは認印(シャチハタ不可)でもかまいませんが、②③のときは実印と印鑑証明が必要になります。
印鑑登録をされていない方は、契約後すみやかに印鑑登録の手続きが必要になるのでご注意下さい。
3.本人確認資料
今は「犯罪収益移転防止法」という法律のもと、売買契約時に本人確認資料が必要です。これは不動産売買を利用したマネーロンダリングを防ぐ目的があり、原則として写真付きの本人確認資料として「免許証」または「パスポート」が該当します。
これらの本人確認資料をお持ちでない方は事前にご相談下さい。住民票とマイナンバーカードなどで代用することも可能です。
4.収入証明
住宅ローンの審査に必要です。
・サラリーマンの方なら源泉徴収票と課税証明書(または住民税決定通知書)
・個人事業主の方なら確定申告書と納税証明書
が必要になります。
転職歴がある方や、金融機関の特色により必要書類が追加される場合もあります。詳しくは事前にご相談下さい。
5.健康保険証
住宅ローンの審査に必要です。金融機関は健康保険組合の資格取得年月日で勤続年数の裏付けをとるので、金融機関に提出します。
6.印鑑証明書、住民票
住宅ローンの審査と登記申請に必要で、金融機関と法務局に提出します。
金融機関によりばらつきがありますが、各々3通づつ取得する必要があります。
7.賃貸借契約書または自宅売却の媒介契約書
住むために購入した家なのか、人に貸したり・別宅として使うために購入した家なのかで、大きく税率は変わります。
それを証明するために、行政に「賃貸借契約書」や「社宅入居証明」など、この住まいは借りているものですよ!と証明するもの、持ち家の場合は「自宅売却の媒介契約書」にてこの住まいはこれから売却しますよ!という証明するものが必要です。
まとめ
以上、長文となりましたが、上記をまとめると以下のとおりです。
1,自己資金(手付金として最低100万円ほど必要) 2,印鑑(契約時は認印・銀行手続と登記手続は実印)3,本人確認資料(免許証またはパスポート) 4,収入証明(源泉徴収票・課税証明書等) 5,健康保険証 6,印鑑証明書・住民票(各3通づつ) 7,賃貸借契約書等(新居に住むことを証明するもの) |
★今回の一語一得★
不動産の購入は高額な売買契約であり、契約から引渡し手続きにおいても多くの書類と一定の期間が必要になります。
実際の手続きには担当スタッフが細かくアナウンスさせて頂きますのでご安心下さい。
この記事を書いた人
- 殖産ベスト 専務取締役
- 古川 秋治
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