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How to buy property物件購入前のあれこれ

ホームインスペクションを活用して、住まいのリスクを回避!調査内容や費用、依頼するときの注意点を知ろう

ホームインスペクション
マイホームを購入する際、誰もができるだけ安全で快適な住まいを手に入れたいと願うものです。特に、中古住宅を購入する場合は、目に見えない部分に潜む欠陥や劣化が心配ですよね。
そんな不安を解消し、少しでも安心して家を購入するために有効な手段が「ホームインスペクション」です。

普段あまり聞きなれないホームインスペクションのメリットやデメリット、調査内容や費用、依頼するときの注意点などを不動産のプロが解説します!

 ホームインスペクションとは?

ホームインスペクションとは、住宅の専門家が住宅や建物の状態を詳しく調査すること。

調査項目には、建物の基礎や構造、屋根や外壁、給排水設備、電気設備などが含まれていて、隠れた欠陥や劣化などの問題が見つかれば、早期に修繕の費用やリスクを把握することができます。

新築一戸建てにも対応していますが、特に中古物件には購入後のトラブルを避けるために有効的です。

 ホームインスペクションのメリット

ホームインスペクションのメリット

ホームインスペクションを受けることには、以下のようなメリットがあります。

メリット1|建物の状態を把握できる

専門家の調査により、建物の重大な欠陥や修繕が必要な箇所を事前に知ることができます。

メリット2|購入後のトラブルやリスクを予防する

隠れた欠陥を事前に発見することで、購入後に思わぬ修繕費用が発生するリスクを減らせます。

メリット3|価格交渉の材料になる

不具合が見つかった場合、売主との価格交渉に役立てることができる場合も。

メリット4|購入に対する不安を軽減

専門家の診断を受けることで、購入に対する不安を軽減し、決断材料のひとつにできます。

 ホームインスペクションのデメリット

ホームインスペクションには、以下のようなデメリットや注意点もあります。

デメリット1|費用がかかる

ホームインスペクションを依頼すると、一般的に10~20万円程度の費用が必要です。

デメリット2|調査は完璧ではない

目視による調査が中心なので、壁や床下など、内部の状況までは完全に把握できない場合があります。

デメリット3|売主がホームインスペクションを拒否する場合も

売主がホームインスペクションに協力的でない場合、実施が難しいことがあります。

 ホームインスペクションはいつ、誰が依頼する?タイミングと目的

不動産の契約後に建物に問題が発覚した場合、修繕費用を負担しなければならなかったり、契約解除が難しくなったりする可能性があります。

そのため、ホームインスペクションを依頼したり実施したりするタイミングは、一般的には購入の意思決定をする前 、つまり契約前に行われることがほとんどです。

依頼者 タイミング 目的
買主 購入前 買付申し込み後、契約前に実施し、問題がないか確認するため。
買主 契約後 契約後に最終確認として実施し、修繕の必要性を把握するため。
売主 売却前 売主が事前に診断し、物件の状態を明確にすることで、買主の不安を軽減するため。

 ホームインスペクションの調査項目や内容

ホームインスペクションは、不動産の種類によって調査すべき項目や内容が違います。
新築戸建・中古戸建・マンション、それぞれの大まかな調査内容を見比べてみてくださいね!

新築一戸建て

新築一戸建ての調査項目や内容の例

  調査項目や内容の例
目的 施工不良や初期不具合の有無をチェックするため
基礎・構造 基礎や壁、床のひび割れ・歪み・傾き・沈下・施工ミスなど
屋根・外壁 屋根材の破損・ずれ、雨漏りリスク、外壁材のひび割れ・剥がれ、防水シートや断熱材の施工状態など
設備 給排水、電気設備、キッチン、トイレ、浴室、換気システム、エアコンなどの動作確認など

中古一戸建て

中古一戸建ての調査項目や内容の例

  調査項目や内容の例
目的 築年数による劣化や修繕費用の目安を把握するため
基礎・構造 基礎や壁、床のひび割れ、歪み、傾き、沈下、劣化、腐食、シロアリ被害など
屋根・外壁 屋根材の破損・ずれ、雨漏りの跡、外壁材のひび割れ・剥がれ、防水シートや断熱材の劣化状態など
設備 給排水・電気設備・給湯器・キッチン・浴室・トイレ・電気配線、エアコンなどの空調設備の老朽化など

マンション

マンションの調査項目や内容の例

  調査項目や内容の例
目的 管理状態や修繕履歴を確認し、長期的なリスクを見極めるため
専有部分 壁・床の傾き、雨漏りの跡、キッチン・浴室・トイレ設備の動作確認など
共用部分 外壁のひび割れ、エントランス・廊下などの共有部分の清掃状況、エレベーターや駐車場などの管理状況、過去の修繕履歴や今後の修繕計画など

 ホームインスペクションの調査費用とかかる時間の目安

物件の種類や規模、調査内容によって異なりますが、ホームインスペクションの費用は一般的には以下の通り。調査時間は2~4時間程度で終了することがほとんどです。

対象 調査費用 調査時間
一戸建て
(新築工事中)

約10~30万円 1~2時間
基礎工事・上棟・内装工事など、建築段階ごとに実施可能。
施工不良を早期発見できますが、複数回の調査で費用が高くなる傾向
工事の段階ごとに調査を行うため、各段階ごとの調査は比較的短時間。
一戸建て
(完成物件)

約10~15万円 2~4時間
引き渡し前に、外壁・屋根・床・設備などの仕上がりを確認。
施工不良の指摘は可能ですが、壁内や基礎内部の詳細な調査は難しいでしょう。
外壁、屋根、設備、内装の細部をチェックするため、時間がかかります。
中古一戸建て

約10~20万円 2~4時間
構造、基礎、屋根、外壁、設備の劣化状況を診断。
築年数が古い場合は、床下・屋根裏などの追加調査が必要で、費用が増えることも。
屋根裏や床下など、隅々まで調査するため、時間が長くなることも。
中古マンション

約5~8万円 1~2時間
専有部分(室内)のみが調査対象。
管理組合の許可があれば、外壁・配管などの共用部分も確認できるが、範囲が限られることが多い。
専有部分の調査がメインで、物件の規模により時間が異なります。共用部分の調査には管理組合の許可が必要。

 結果はどうやって来るの?報告書に書かれている内容って?

ホームインスペクションの結果は、通常実施後1~3日以内にメールやオンラインで報告書としてレポート形式で提供されます。紙のレポートが希望の場合は、郵送でも手配可能です。

報告書には、おおまかに以下の内容が記載されています。

項目 記載内容
調査項目 調査した箇所の詳細。
例えば屋根のひび割れ、基礎の傾き、設備の老朽化など。
問題点 発見された問題点とその詳細、重要な問題や疑わしい箇所については、実際の状態がわかりやすい写真が添付されることも。
評価 修繕が必要な重大な問題や、すぐに修繕が必要ない軽微な問題などが評価されます。
また、それぞれの問題が将来的にどれくらいの費用や手間がかかるかの修繕予測が含まれることもあります。
総合評価 住宅全体の状態の評価と、「購入しても問題ない」または「修繕が必要」「大きなリスクあり」などアドバイスも含まれ、購入の判断材料になります。
修繕の推奨 具体的な修繕方法や提案が示され、修繕業者への紹介が記載されていることも。

 後悔しないために!ホームインスペクションの流れと注意点 7つ

ホームインスペクションの結果や保証を見る2人と不動産会社の人
ホームインスペクションで後悔しないために、注意するポイントを時系列にチェックしていきましょう。

1. ホームインスペクションは、物件購入前に実践すべき

ホームインスペクションは、物件契約前に行うことが基本です。
購入後に建物の問題が発覚すると、修繕費用が大きな負担になって後悔につながります。

2. 信頼できる専門家(ホームインスペクター)や不動産会社にまずは相談

専門的な知識があり経験豊富な、信頼できるホームインスペクターを選ぶことがとても重要です。
ホームインスペクターの資格や実績を確認したり、過去の評価やレビューも参考にしましょう。

選びにくい場合は、第三者機関に認定されたインスペクターを選んだり、不動産会社に相談するとより安心ですよ。

3. 調査項目を明確にする

ホームインスペクションの範囲は物件により異なるため、事前に調査項目を確認しておきましょう。
特に気になる箇所があれば、追加で調査範囲を広げて調査してもらうことも可能です。

4. ホームインスペクション後の結果を正しく理解する

結果の報告内容には専門用語が含まれているため、問題が発見されただけですぐに「購入をやめる」のではなく、不明点があればまずはホームインスペクターに相談しましょう。

もし重大な欠陥が発見された場合は、その修繕費用や長期的な影響を考慮し、購入を再検討することもできます。

5. 修繕履歴や保証を確認する

特に中古住宅の場合は、過去に行われた修繕やリフォームの履歴を確認しましょう。ホームインスペクションで見つかった問題がすでに修繕されている場合もあります。

また、売主が提供する保証内容(例:新しい屋根や配管の保証)も確認しておくことが重要です。

6. 結果に対して、できるだけ冷静に検討・対応する

結果を受けて、修繕の必要性や費用を冷静に評価し、購入の再検討や対応策を考えましょう。
特に中古住宅では、隠れた問題が後で大きな修繕費用を伴うことがあるので、慎重に検討してくださいね。

7. 契約内容を確認する

最後に、ホームインスペクションの結果に基づいて契約内容を再確認します。
特に中古住宅では、瑕疵担保責任や保証の範囲をしっかり確認して、購入後に発生する可能性のあるリスクを最小限に抑えることが大切です。

 ホームインスペクションでリスク予防を

費用や時間はかかりますが、 将来的なトラブルや後悔を避けるためにも、早期に住宅の隠れた問題を発見する一つの方法がホームインスペクションです。ぜひ検討してみてくださいね。

 「ホームインスペクション」について解説した不動産のプロは、この人

森本 大志
殖産ベスト株式会社
森本 大志(もりもと だいし)
幼少期を海外で生活し、不動産業の前は繊維や貿易関連の仕事に従事しし、グローバル的な感覚を持つビジネスパーソン。現在は、営業職から管理職まで、常にトッププレイヤーとして活躍しています!
【保有資格】
宅地建物取引主任者、住宅ローンアドバイザー
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