床暖房ってどれがいいの?種類やメリット・デメリット、電気代・ガス代の目安をチェック
寒い冬に床全体を温め、心も体もホッと緩ませてくれる床暖房。
ただし使い方によっては、良さを実感できなかったり、ガス代や電気代などのランニングコストが高額になったりすることもあります。
気になるメリット・デメリットや費用の目安など床暖房の基本を知って、上手に生活に取り入れてみましょう!
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床暖房とは?
床暖房とは、リビングなどのフローリングの下に設置する、電気や温水などを使った暖房システムのことです。
寒い冬に床からの放射熱で足元からじんわりと体が温まり、やけどや火災などの危険性もなく、場所も取らない暖房器具なので人気!
最近の新築住宅には、はじめからリビングなどに設置されていることも多い設備です。
床暖房のおおまかな種類と基本的な仕組み
一般的に使用されている床暖房は、「ガス温水式床暖房」と「電気式床暖房」の2種類です。
1. ガス温水式床暖房
ガス温水式床暖房は、熱源機(給湯器)で加熱したお湯を床材の下に設置した温水マットに循環させて床全体を温めます。
立ち上りには少し時間がかかりますが、必要な時だけガスを燃焼させて、温まったお湯を一定温度に保ちながら循環活用するため、経済的にもお得!
2. 電気式床暖房
電気式床暖房は、床下に設置した電気式発熱体に電気を通すことで発熱させ、床面から部屋を暖める暖房方式。ガス温水式床暖房の温水マットが、電気マットに変わったイメージです。
立ち上りが早く、給湯器などの熱源機は不要なので初期費用やメンテナンス費用が抑えられ、欲しい場所に部分的に設置もしやすいのも利点。
ただし、ランニングコストはガス温水式床暖房よりも高くなりやすい傾向があります。
3. そのほかの床暖房
そのほかにも、オール電化住宅と相性の良い「温水式電気床暖房」、床下全体を暖める「蓄熱式床暖房」などもあります。設置コストやランニングコスト、管理のしやすさなどで比較検討してみましょう。
床暖房のメリットはこれ!
結露やほこりの拡散の心配がない
ガスヒーターや石油ストーブなどの燃焼ガスには大量の水蒸気が含まれるため結露ができやすく、カビやダニなど発生原因になることも。
床暖房は、ふく射熱で穏やかに部屋全体を温めるため結露ができにくく、空気を循環させないため、ホコリなどの拡散も少ないのが利点です。
空間が広く使える
床暖房は床下に設置されているので、暖房機器の場所を取ることなくリビングが広く使えます。
家具やインテリアの配置が自由にでき、コード類もないため見た目もすっきり!
部屋全体が温まる
エアコンやガスヒーターから出る温かい空気は、基本的には上に上がり足元は冷たいままなので、室温の割には寒く感じてしまうことも。
それに比べて、床暖房は足元から暖かくなるので、底冷えが解消されて部屋全体の温度を快適に保つことができます。
床暖房はデメリットもある
床材に制限がある
リビングなど広いスペースの床材を好みのものにできるのが注文住宅のメリットですが、床暖房に適応する床材は決まっているので、イメージと違ってしまうこともあるかもしれません。
ただし、最近は無垢フローリング材やタイル材など、床暖房対応の床材のバリエーションが増えています。床暖房を検討するときは、事前に工務店や建材メーカーにどんな種類があるかを確認しておきましょう。
フローリング材が伸縮する
木材は季節や環境によって伸縮するという特徴があります。床材の下が温まることでフローリング材が乾燥して縮み、目地(めじ)に隙間や段差ができてしまいます。
これは木材の性質で、やむを得ないこと。そういったことがある、ということを知っておくのが大切です。
床暖房の一カ月のガス代や電気代ってどのくらい?
床暖房を検討するときに知っておきたいランニングコスト。
電気代やガス代は、設置する床暖房のエネルギーや機能だけでなく、住宅環境や契約しているプランなどによっても変わるので、金額だけでは一概に高い・安いは言えないかもしれません。
各メーカーが公表しているランニングコストを簡単にまとめたので、参考にしてみましょう。
東京ガス|ガス温水式床暖房
約5,100円/1カ月あたり
8畳の部屋で、1日8時間運転した場合。
参照:東京ガス「床暖房を使用した時のランニングコストを知りたい。」
Panasonic|電気式床暖房(フリーほっと)
約3,800円/1カ月あたり(床温約25℃)
約8,400円/1カ月あたり(床温約30℃)
10畳の部屋で、床暖房パネルで1日8時間運転した場合。
Panasonic|温水式電気床暖房(フリーほっと温すいW)
約4,500円/1カ月あたり(床温約30℃)
10畳の部屋で、ヒートポンプ式温水暖房機で1日8時間運転した場合。
MAX|床下配線タイプ発熱シート(ホットメイト)
約5,090円/1カ月あたり
10畳の部屋で、1日8時間運転したとき。
床暖房を賢く使おう!上手な使い方
床暖房の上に家具を置かない
床から浮くような脚がない大きな家具を床暖房の上に配置すると、熱が床全体に均等に伝わりにくくなるだけでなく、家具自体も高温にさらされ劣化しやすくなります。
床暖房がある場所にはなるべく家具は置かず、置く場合は脚付きのものにして、空気の流れを確保しましょう。
こまめにスイッチのオンオフをしない
床暖房は、起動時から温まるまでに大きなエネルギーを消費します。すぐに外出するときや家にいる時間が短いときは、つけない方が効率的かもしれません。
また、床暖房は一度部屋が温まると、電源を切った後もしばらくは温かいという特徴があります。就寝30分前に電源を切ったり、タイマーを設定したりすると、ランニングコストの削減になりますよ!
床暖房の上にカーペットを敷いてもいいの?
床暖房の上にカーペットやラグを敷いて利用したいこともあるかもしれませんが、各メーカーに問合せしたところ、「おすすめしない」との回答でした。
理由として「温まりにくい」「床とカーペットの間が高熱になって、床材の著しい劣化の可能性がある」とのこと。
それでも、どうしてもラグやカーペットを敷きたいときにおすすめなのが、床暖房対応のラグやカーペットです。通気性や防火性、熱伝導性に優れものが販売されていますよ。
床暖房は後付けできる?リフォーム代の相場など
床暖房は、リフォームで後付けも可能!リフォームの場合、温水式床暖房は大規模な工事になるので、一般的なのは電気式床暖房です。
広くない部屋であればリフォーム代の相場は、電気式床暖房の場合は50万円程度、温水式床暖房の場合は100万円程度。
コストをできるだけかけたくないときは、床材の上に直接設備を配置する直貼りという工事方法と、見た目をきれいにしたいなど仕上がり重視の場合は、既存の床材を取り外し、床暖房の設備を床下に設置する工事方法があります。
どちらにしても、既存の床材が床暖房に適していなかったり、選択する設備や仕上げ材によってリフォーム費用も大きく変わったりするので、いくつかの施工会社に見積もりをもらうなど、慎重に検討しましょう。
床暖房を上手に使って暮らしを快適に♪
床暖房は、優しく静かに足元から部屋を温め、しかも部屋を広く快適に使える人気の設備です。
ただし、広い空間を暖める暖房器具であることには変わりがなく、初期の設備費用とランニングコストはかかります。床暖房の使い方のポイントを押さえながら、家での時間を心地良く過ごしてくださいね!
「床暖房」について解説した不動産のプロは、この人
- 殖産ベスト株式会社
- 平野 健児(ひらの けんじ)
- リフォーム事業、不動産仲介業、不動産買取再販業、Salesforce導入支援など、さまざまな分野でたくさんの経験を積んできました。その経験を生かし、不動産の購入・売却において注意すべきポイントもお伝えしながら、ベストな提案と笑顔で信頼できるパートナーになれるように尽力していきます!
- 【保有資格】
宅地建物取引士、2級建築士
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