角地ってどんな土地?メリット・デメリット、角地緩和などの制限や立地による日当たりの違いなど
土地や家選びのときに、「角地(かどち)は良い土地」というイメージを持つ人も多いかもしれません。確かに角地には多くのメリットがあるのも事実ですが、デメリットや事前にチェックしておきたい注意点もあります。
不動産のプロが、角地についてのポイントや角地に関係する制限や税金、角地緩和のことを解説します!
角地とは?どんな土地のことをいうのか
角地とは、「交差点やT字路の角にあって正面と側面の二方向の道路に接した角の土地」、または「接道部分が敷地周長の1/3以上で内角度が120度未満である土地」のことをいいます。
準角地とは?
角地と間違われやすいものに「準角地」というのがあります。
準角地とは、「交差点やT字路ではなく、一本の折れ曲がったL字型の道路の角(内側)に位置する土地」を指します。
角地が人気なのはなぜ?代表的なメリット4つ
メリット1|日当たりが良く、開放的
角地は二方向が道路に面していて日差しを塞ぐ建築物がないので、日当たりの良さが大きなメリットです。また、隣地と接する部分が少ないので風通しが良く、開放的な住居になるのも魅力!
メリット2|防犯面で優れている
角地は二方向の土地が道路に面しているので人目につきやすく、見通しが良いため、防犯面に優れているといわれています。
メリット3|設計の自由度が高い
道路と接している面が多い角地は、玄関や駐車場の位置など間取りの選択肢が増やせたりと、注文住宅を設計するときの自由度が高くなります。
メリット4|資産価値が下がりにくい
日当たりや建ぺい率の緩和など、角地にはメリットが多いことから人気が高く、資産価値が高い傾向にあります。売却をするときのことまで考えて検討するといいかもしれません。
デメリットもある…。角地の注意すべき点3つ
デメリット1|土地の価格や固定資産税などの税金が高め
資産性や人気が高い角地は、ほかの土地に比べ、販売価格が1~2割程度高い傾向にあります。
また、土地の評価額によって算出される「固定資産税」「都市計画税」など、毎年払う税金も高くなると覚悟しておいた方がいいかもしれません。
デメリット2|日当たりが良すぎると暑くなる
角地には周囲に障害物が少ないので日当たりがいいのがメリットですが、直射日光を受けやすく室内が暑くなり過ぎることも…。
デメリット3|目隠しのための外構工事が必要
角地は見通しが良く防犯にはなるのですが、逆に通行人の視線が気になることもあり、外構などプライバシーを守る対策が必要です。
フェンスや塀、植栽など目隠しのための工事費用として、予算はある程度想定しておきましょう。
建ぺい率の角地緩和や角地に関係する制限
条件を満たすと受けられる「角地緩和」や角地ならではの制限も知っておきましょう!
建ぺい率の角地緩和
角地は通常の土地と比べて、敷地に建築できる建物のワンフロア当たりの面積の割合「建ぺい率」を10%加算できる角地緩和の措置があります。
条件は特定行政庁により違うので、不動産会社やその土地のある自治体に確認しましょう。
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道路斜線制限
建築基準法には、道路や周辺の建物の採光や通風を確保するために、道路に面した建物の一定部分の高さを制限する「道路斜線制限」があります。
一定のルールに従い、道路境界線から斜線を引き、その斜線の中に建物が収まらなくてはいけないというものですが、角地は二つの道路に接しているため、二方向から制限を受けることになります。
隅切り・角敷地の建築制限
隅切り(すみ切り)、または角敷地の建築制限は、角地である土地の角を切り取って道路状にすることをいい、通行のために曲がり角を通りやすくしたり、見通しの確保が目的です。
例外はありますが、隅切りの部分には建築物だけでなく、交通の妨げになるような門や塀など工作物の築造も禁止されています。
隅切りの規定は、自治体によって対応が異なるため、役所で必ず確認してくださいね。
向きによって家の特徴が変わる!角地の立地4パターンの日当たりや価格比較
角地がどこに建っているか、どの方角が道路に面しているかで日当たりや販売価格も変わります。注意点などもチェックしてみてくださいね!
南東角地
日当たり | ポイントや注意点 | 販売価格 |
朝~日中、東側と南側から光が入り、一日中明るい | 人気が高い 夏場など気温の上昇に注意 |
角地の中でも一番高い |
南西角地
日当たり | ポイント | 販売価格 |
昼~夕方の日当たりは良いが、朝日は入りにくい | 夏は西日が入り込むので暑くなりがち 冬は比較的暖かい |
高い |
北東角地
日当たり | ポイント | 販売価格 |
朝~昼にかけて光が入る | 土地に余裕があれば南側を隣地から距離を取ると日当たりが良くなる | 普通 |
北西角地
日当たり | ポイント | 販売価格 |
日当たりはさほど良くない 西日の影響を受ける |
南東の方向にリビングやベランダを配置するなど、光を取り込むための工夫が必要 | 角地の中では安め |
後悔しないために!角地を検討するときのポイント
面している道路の交通量を把握する
面している道路が主にどのように使われているか、車が多く通る道路の場合は時間帯ごとの交通量も把握しておきましょう。
駐車場の方向を決めたり、騒音トラブルの可能性を探ったりするのに役立ちます。
日差し対策も考えておく
日当たりが良すぎる角地の場合には、日差し対策が必要です。
注文住宅の場合は、ハウスメーカーや建築会社に遮熱・断熱対策のシミュレーションを依頼した上で設計や設備を決めるといいですよ。
角地のメリットデメリットを理解してから検討しよう!
角地は多くのメリットがある一方で、道路斜線制限、隅切り、価格など注意しなければいけないことも多い場所です。立地によっては、特徴も大きく変わります。角地のメリット・デメリットを理解して、後悔やトラブルのないようにしてくださいね。
「角地」について解説した不動産のプロは、この人
- 殖産ベスト株式会社
- 加治木 正文(かじき まさふみ)
- 不動産という一生に何度もない大きな買い物を前にして、ぞれぞれの好みも違えば要望も多種多様、さらに悩みや不安を抱えている方はたくさんいらっしゃいます。そんな皆さまの立場になって一緒に考え、悩み、地域に根ざした新鮮で豊富な不動産情報とプロの目線で、微力ながらもお力添えできれば最高です!
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宅地建物取引士 - 物件探しはこちらから
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