
好奇心をくすぐる刺激的なひとときを 「NTT技術史料館」三鷹
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日本の通信技術のルーツから、NTTグループが開発してきたインターネットや携帯電話などの電気通信技術を映像や展示で幅広く紹介している施設。地下1階から3階までの広大な空間を使っていろいろな角度から学べる人気の見学スポットです。
武蔵野市役所そば、NTT武蔵野研究開発センタ内の一角にある史料館
場所は、JR「三鷹」駅北口から約15分です。三鷹駅北口1番バス乗り場から「北裏」か「武蔵関」もしくは「田無橋場」行きに乗り、「武蔵野市役所前」で下車。武蔵野市役所と武蔵野クリーンセンターの間の道をまっすぐ進むと、NTT技術史料館に到着です。
こちらの垂れ幕が目印。
知らない世界をのぞいてみよう
NTT技術史料館は、日本の通信技術の礎を築いたNTTグループの研究開発と電気通信技術の歴史を学べる施設として2000年11月にオープン。その後、2010年から段階的に一般公開が開始され、現在は木・金曜の13:00~17:00に。予約不要・入館料無料で誰でも見学できるようになりました。
地下1階から3階までの展示スペースに約1500点の貴重な史料を収蔵・展示しています。今回は、技術史料館担当のスタッフさんに特別にガイドしてもらいながら見学しました。
※2020年7月2日以降、新型コロナウイルスなどの影響により、体験展示物やNTT OBボランティアによるガイド、タブレットガイドは休止中
1階ロビーでは、電話交換手が必要だった時代の「デルビル磁石式壁掛電話機」や昔懐かしい黒電話などが数多く並んでいます。
電気通信事業の歴史
ロビーの真ん中にある階段で地下1階へ。ここでは、日本の通信事業の歴史を社会の動きとともに年代順に紹介しています。
1854年に来航したペリーによってもたらされた電信機。日本人が珍しそうに見ている様子が絵から伝わってきます。その後、1870年に日本で電信(電報)がサービス開始しました。そして、ベルが電話機を発明してから14年後の1890年には日本でも電話のサービスが始まったんだそう。日本でも東京・横浜では電話が使えるようになっていたんですね!
電話加入者人名表
電話加入者人名表を見ると、ズラリと並んだ名前の中に大隈重信や渋沢栄一といった名前を発見! 当時の電話は政財界などのトップたちが使う特別なものだったそう。また、電話は“手動交換”という人(電話交換手)を介した方法でつないでいたそうです。当時の最先端技術であった「電話」を扱う電話交換手は女性の憧れの職業でした。
昔懐かしい黒電話
1950年代、60年代から使われた電話機です。レトロなダイヤル式の黒電話、今の子どもたちには目新しくうつりそうですね。
歴代の公衆電話機が集合
公衆電話が「赤電話」と呼ばれていた時代、お店の中や店先に置かれ、設置が遅れていた個人宅用の電話の代替手段として広く使われました。1972年になると、100円硬貨が利用できる「黄電話」、1982年にテレホンカードが利用できる緑色のカード式公衆電話機が登場します。1990年にはグレーのデジタル公衆電話機、1999年にICカードが使える公衆電話機が登場しました。公衆電話の変遷を改めて見ることができるのもNTT技術史料館ならではの魅力ですね。
大阪万博で未来の電話を体験
1970年の大阪万博に登場した未来の電話「ワイヤレステレホン」。会期中、会場からは無料で通話(人気のため時間制限あり)を楽しめたそう。
とう道の原寸模型
防火対策が施される以前と以降を比較する「とう道」の原寸模型です。とう道とは、配線や配管のためケーブルが通る地下のトンネルのことで、人が通れる大きさだそう。携帯電話で電話をするときに、電話同士が空中で電波を送受信していると考えがちですが、実は携帯電話と基地局間は無線で、そのほかは地下の有線ケーブルを介して基地局間を結んで通信しているのだとか。改めて勉強になりました。
光ファイバ製造技術「VAD法」の開発
長さ2000kmの光ファイバになる高純度の光ファイバ用ガラス母材も展示されていました。この太い円筒から1本の髪の毛と同じくらいの細さにしていくんですって! ガラスがだんだんと細い線になって通信に使えるなんて不思議な感覚です。
モバイル機器の変遷
船舶電話から、自動車電話、ショルダーホン、携帯電話など、さまざまな時代の多種多様なモバイル機器まで見ることができます。昔使っていた携帯電話を見つけることができるかも。
アンケートに答えてペーパークラフトをもらおう
アンケートに答えると、NTT技術史料館オリジナルのペーパークラフトが無料でもらえます。現在は磁石式手動交換機を配布中(時期によって種類が変わることがあります)。ペーパークラフトはとっても本格的で、大人が真剣に取り組んで60分程度かかりました。
新型コロナウイルス感染予防の取り組み
入館時の検温・手指アルコール消毒、見学中のマスク着用をお願いしています。体験展示物、NTT OBボランティアによるガイド、タブレットガイドは休止中。今後の開館日・時間などは出かける前にHPで確認を。
まとめ
ボランティアによるガイドは休止していますが、館内の紹介映像「史料館ガイドツアー映像」を公式HPで特別公開しているので、案内スタッフの説明を自宅にいながら楽しめます。また、電気通信の歴史を作ってきた語り部たちが“つなぐ”ことへの挑戦や想いを伝える映像シリーズ「温故知新」も始まりました。映像とあわせて、館内の見応えのある展示内容はお出かけにうってつけ。ここでしか見られない貴重な展示の数々を確かめに出かけてみませんか。

NTT技術史料館
- 開館時間
- 13:00~17:00
- 開館日
- 木・金曜日
- HPなど
- http://www.hct.ecl.ntt.co.jp/
- 電話
- 0422-59-3311
- 住所
- 東京都武蔵野市緑町3-9-11 NTT武蔵野研究開発センタ内 Google Mapで見る