「物豆奇」の外観

西荻窪駅北口から徒歩4分。駅からは伏見通りをまっすぐ歩くだけなので、迷うことなく「物豆奇」にたどり着きます。
おしゃれな外観と重厚な扉は純喫茶としてなんとも趣があります。

「物豆奇」という看板をみて、複雑な読み方をするのかなぁと考えていましたが、上を見ると「MONOZUKI（ものずき）」と。シンプルで覚えやすい名前でした。

夜に訪れるとこんな感じです。

 「物豆奇」のメニュー

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手書きのメニューに高すぎない価格設定。軽食やシフォン・パウンドケーキが楽しめるのも喫茶店の良さですね。

フロートメニューも人気と聞いていましたが、初日は少し肌寒かったので、モカ・マタリのシフォンケーキセットを注文しました。

 時計が多い！「物豆奇」の店内

3時ごろ伺いましたが落ち着いた時間だったようで、店内は静まり返っていました。

店内にはともかく時計が多い！入口から軽く10個以上の掛け時計が飾られ、時を止めたもの、今も動き続けるものがあり、大きさも形も違うので一つひとつを見比べるのも楽しいです。

同じくランプも多く、それでいて落ち着いた照明です。一階なのに、航海中の船の中にいるような気分にもなってきます。時間が来ると、きちんと時を告げてくれる時計の音も耳に心地いい…。

窓側からはやわらかい日差しが差し込み、近所の学生や西荻窪に住む人々の話し声が聞こえてきて、日々の何気ない会話がとても平和で温かい気持ちになります。

毎日こうして一日を見守りながら、この「物豆奇」はこの地に根付いたのかと思いをはせました。

清潔で空気が澄んでいる喫茶店

ここで気になったのは、店内に喫茶店特有の香りがしない？コーヒーの香りはするものの、なんとも空気が澄んでいる気がする。ふと店内を見渡すと、置いてあるものは年代物なのにとても店内がきれいだということ。

ネットでは前席禁煙と掲載してある口コミもあり、そのせいかとも思ったのですが、なんと最近では希少な喫煙可でした。

マスターはとても口数が少なく、常連とも一言二言交わす程度。それもあってか、店内に響くのは時計の針の音とマスターの読んでいる新聞をめくる音。そしてJAZZ。

気軽に入れるcafeもいいが、あえて喫茶店に入るのはこういうのんびりした空間が好きだからかもしれませんね。

 至福の一杯

オーダーごとに豆をひき、一杯一杯丁寧に入れてくれたコーヒーは驚くほど飲みやすく、一口目からおいしい！あくまで主観ですが、近年飲んだコーヒーの中で一位二位を争うおいしさでした。

コーヒー好きとはいえ、続けて2杯、3杯などと普段飲まないのですが、思わずお代わりしたくなるほど飲みやすかったです。
舌に引っかかるような苦みもなく、酸味の中にフルーティーさを感じる味わい。飲んだ後もスッキリしていて、甘いものとも相性もいい。

シフォンケーキはとてもやわらかく、甘すぎない生クリームが絶妙。

 仕事終わりの「物豆奇」もまた良し

この日は仕事終わりの20時ごろ、甘いものが欲しくて「物豆奇」に寄りました。
店内には、小説を読む男性客一人。

ウィンナーコーヒー

見た目はシンプルなのに、一口飲んでそのおいしさにまた感動してしまいました。
ブラウンシュガーでしっかり甘さをつけたコーヒーと、硬さ・甘さが丁度いい滑らかな生クリームの相性がとてもいい。そして、最後にあのフルーティーな爽やかさが、のどを通り抜けていきます。
熟練の技なのか計算されたものなのか？

ひとえにウィンナーコーヒーといっても、コーヒーと生クリームが全く別々に主張しているところも少なくないのに、「物豆奇」のウィンナーコーヒーはその調和が素晴らしい。思わずそのおいしさにほほんでしまう。

クルミラムレーズンパウンドケーキ

パウンドケーキは一般的なものよりも小ぶりで、かわいらしいサイズ。
しっかりと味の染みたラムレーズンにクルミの触感が加わって味わい深いで、甘いものを欲している日にこのパウンドケーキはおすすめです。

 「物豆奇」で出会えた至福の一杯

中央線沿いは老舗の喫茶店も多く、降りたことのない街を散策するのも楽しいです。

西荻窪の「物豆奇」も歴史は長く、その街の空気を肌で感じることができるのも魅力のひとつ。じょうぜつな店員さんがいるお店も通いやすいですが、マスターのように物は語らずコーヒーで語るような、そんな至福の一杯に出会えたのはとても嬉しい発見でした。

ごちそうさまでした。またふらりと訪れたいと思います。

物豆奇

電話

03-3395-9569

営業時間

11:30～20:00

定休日

不定休

URL

https://tabelog.com/tokyo/A1319/A131907/13012925/

住所

東京都杉並区西荻北3-12-10　Google Mapで見る